砂壁の上に壁紙クロスを貼る方法とその手順
2022年05月26日更新

和室に使われている砂壁。長く使われてきただけあってメリットも多い砂壁ですが、「和室を洋室にリフォームしたい!」、「お部屋の雰囲気を変えたい!」という場合には上から壁紙クロスを貼ってみるのもいいでしょう。
ここでは、砂壁の上から壁紙クロスを貼るリフォームについて、また非常に難易度が高いですがDIYで貼る方法と手順をご紹介します。
砂壁とは?
砂壁・土壁とはどういう壁のこと?
砂壁
砂壁とは日本壁の一つで、色砂などを中塗面に塗って仕上げた壁のことをいいます。
最近では見る機会も減ってきたかもしれませんが、和室や床の間などの内壁によく用いられてきた、手触りがざらざらしている壁です。
土壁
土壁とは日本の和風建築の伝統的な壁の総称をいいますが、土壁の場合は仕上げに土を素材に左官仕上げした壁のことを指します。
砂壁と土壁、よく混同されますが、砂壁はいわば土塗りをする前の状態の壁のことをいいます。
砂壁の場合、和の雰囲気が強くなるため、洋風のインテリアと合わないことや、老朽化によってヒビがはいってしまうといったリスクがあります。また古くなることで砂がボロボロと落ちてきてしまう場合があります。
砂壁のメリット・デメリット

砂壁のメリット
1.調湿性に優れている
砂壁に含まれる成分により、調湿性に優れており、湿度が高いときには吸湿、低いときには放湿するため、部屋の湿度が一定に保たれやすく一年中快適に過ごせます。
そのため、カビやダニの繁殖を防ぐこともできます。
高温多湿な日本の気候にあっており、長く重用されてきた理由がわかります。
2.防火性に優れている
砂壁は不燃性物質である砂と土でできており、燃えにくいのも利点です。
燃えにくい素材の塗り壁ですので、防火性・耐火性が期待できます。
3.アレルギー対策になる
化学物質やハウスダスト、カビなど室内の汚染された空気を吸うことで体調不良を起こす「シックハウス症候群」。砂壁は、シックハウスの原因となる有害物質を吸収するため、アレルギー対策としても効力もあります。
砂壁自体、自然の素材を使っているものなので、アレルギーの原因となる物質を含んでおらず、化学物質に過敏な方、アレルギー体質の方などからの人気が高くなっています。
砂壁のデメリット
1.砂が落ちるため掃除、メンテナンスに手間がかかる
物を強くぶつけてしまったり、劣化してきたときなどには壁面が削れて、ポロポロと砂が落ちます。また、カーテンや衣服が擦れた場合には砂が付着します。そのたびに掃除や洗濯が必要になり、手間がかかります。
砂が削れてしまうと、見た目も悪くなりますのでメンテナンスが必要になります。
2.リフォームの工期・費用がかさみやすい
砂壁の工事には高度な技術が必要です。
一般的な壁紙クロスの張り替えリフォームの工期は基本的に1日ですが、砂壁の場合には2~4日ほどかかる場合がほとんどです。
技術のある左官屋さんに依頼し、工期をかけてリフォームを行うとその分費用も高額になります。
砂壁のリフォームを依頼する場合

砂壁のメリット・デメリットでも述べてきたように、砂壁のリフォームには高い技術が必要です。DIYするのはかなりリスクがありますので、リフォーム会社へ依頼することをオススメします。
砂壁を塗り直すリフォームの費用相場・工期
砂壁を維持したい場合、一般的なリフォームとしては似た材料で塗り直すことになります。
■ リフォーム費用相場(6畳の場合)
リフォーム費用相場 | |
---|---|
床の間がある場合 | 約65,000円~100,000円ほど |
床の間がない場合 | 約55,000円~80,000円ほど |
■ 工期:2~4日ほどと考えておきましょう。
砂壁の上から壁紙を貼るリフォームの費用相場・工期
和室を洋室にリフォームしたい時、お部屋の雰囲気を変えたい時には砂壁の上から壁紙クロスを貼ることもオススメです。
壁紙クロスをきれいに貼るために、まずは下地処理が必要になります。砂壁の凹凸を解消する作業はDIY初心者には難しいので、リフォーム業者に依頼するのが無難です。
■ リフォーム費用相場(6畳の場合):約100,000円~150,000円ほど
■ 工期:1~2日ほど
※下地処理の詳細は次の項目「砂壁をDIYでリフォームする手順と道具」を参考にしてください。
砂壁にDIYで壁紙クロスを貼る手順と道具

砂壁をDIYでリフォームすることは不可能ではありません。
ただ、プロでも技術を必要とするため難易度は非常に高く、失敗した場合は改めてリフォームを依頼する必要がでてくるため、余計に費用がかかる可能性もあります。
それらのリスクを理解した上でDIYにチャレンジしたい!という方のために、必要な道具と作業の流れをご紹介します。
砂壁に壁紙を貼る手順
・砂壁の痛みがひどくない場合
砂壁から砂が落ちてくるといった老朽化が進んでいない場合は、直にクロスを貼ることもできます。ただし、どうしても砂の凸凹が響いてしまう可能性もあるため、確実に綺麗に仕上げたい場合は、次の「砂壁の痛みがひどい場合」を参照してください。
【手順】
(1)表面が少し粉っぽいように感じる場合は、マスキングテープなどで養生しておきましょう。その後、全面に下地用のシーラーを塗っていきます。シーラーが完全に乾くまでには約1日を要します。余裕をもって作業を進めておくといいでしょう。
(2)シーラーが乾燥したら、凸凹している部分にシールパテで処理を行い、壁を平らにします。パテが完全に乾燥したら、紙やすりをかけて整えます。その後、もう一度パテを塗ります。
(3)パテを塗る→やすりをかけるという工程を何度かくりかえしながら、壁を平坦にしていきます。綺麗に平坦になったら、壁紙を貼り付けます。生のりで貼るタイプのものは比較的綺麗に仕上がるのでおすすめです。
・砂壁の痛みがひどい場合
砂壁の痛みがひどい場合や基礎が土壁の場合は、直接壁紙クロスを貼ることができないため、ベニヤ板に貼る方法をとります。
【手順】
(1)壁にベニヤ板を重ねて、下地の部分に釘を打ちます。下地の部分とは、壁の端にある部分です。叩いて響かない=下地がある部分となります。
(2)下地の位置を確認したら釘を打ち込みましょう。壁に傷をつけたくない場合は、釘の数を減らすなどで調整します。両面テープなどは剝がれやすいので利用しない方がいいでしょう。
(3)ベニヤ板が貼り付け終わったら、その上からクロスを貼っていきます。ベニヤ板以外には、石膏ボードなども利用できます。
砂壁に壁紙を貼るときに使う道具
砂壁にクロスを貼る場合、砂壁自体の状態によって必要な材料や手順というのは大きく変わってきます。状態に合わせて必要なものを準備しておきましょう。
・ ベニヤ板
・ 下地用シーラー
・ シールパテ
・ やすり
・ 壁紙
・ ヘラ
・ マスキングテープ
ベニヤ板
砂壁が老朽化している場合に必要な材料です。また、砂壁が粉っぽい場合や凸凹が多い場合なども、直にクロスを貼ることができないため、ベニヤ板が必要となります。
下地用シーラー
砂壁に直接クロスを貼る際に必須の材料となります。砂壁というのは水分を吸いやすく、そのままペンキを塗ってしまうと、一瞬で吸われてしまい何度もペンキを塗るはめになってしまいます。それを防ぐためにまず下地用シーラーを塗ります。また、ペンキのムラになりにくいことや、砂壁がしっかりと固まるといった効果もあります。
シールパテ
こちらも直にクロスを貼る場合に必要な材料です。ベニヤ板を使わない分、下地を平らにしなければなりません。砂壁の凸凹を平坦にするためのものです。
やすり
パテを塗った後に滑らかにするために必要となります。
壁紙
最後に貼り付ける壁紙です。綺麗に貼りやすい生のり付きの壁紙を選ぶことをおすすめします。
ヘラ
砂壁がボロボロと崩れ落ちる場合、霧吹きで濡らしてからヘラで削らなければなりません。
マスキングテープ
砂壁が粉っぽいと綺麗に壁紙が貼れないため、マスキングテープを利用して養生します。
まとめ:DIYの難易度は高。リフォーム業者への依頼がオススメ

砂壁に壁紙を貼ろうとすると凹凸をなくすためシーラーで整えたり、ベニヤ板を打ち付けたりする必要があります。
普段からDIYをする方なら問題ないでしょうが、このために工具などを揃えるとそれなりの出費になります。
また、面積の大きな砂壁へ均等にパテやシーラーを塗ろうとすると塗りムラが出来て貼った壁紙も凸凹して不格好なままということも考えられます。
そのため、DIYが趣味で張り替えそのものを楽しみたい!という人以外はリフォーム業者に頼んだほうがキレイに仕上がります。
業者への依頼であれば下地の状態に応じた施工を行ってくれるため、後からベニヤ板が必要!ということもありません。
もし砂壁から壁紙クロスへの張り替えをお考えでしたら、是非一度、リノコのWEBフォームやお電話からご相談ください。
リノコのご相談・お問い合わせフォーム
監修者情報

のと
インターネットからのリフォームの依頼は、手軽でとても便利ですが、その分不安に思われる方も多くいらっしゃるかと思います。
私自身、大きな買い物などをする際は、たくさん質問・確認をしておきたいと思うタイプですので、そんなお客様のお気持ちがよくわかります。
お客様の不安やお悩みが少しでも取り除けるよう、メールやチャット、お電話で、丁寧で迅速な対応を心がけています。
より少しでも、お客様にご満足していただけるよう今後もサービス向上に努めてまいりますので、どんな些細なお悩みでもお気軽にご相談ください。
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