バリアフリー(介護)リフォームで利用できる補助金の基礎知識

家族が高齢となったり、重い病気にかかったりした際に介護する側にとっても、される側にとっても、より安心して生活できる住まいに変えたいと考える人は多いことでしょう。介護面での利便性を考慮して住宅を改修するバリアフリーリフォームは、条件が合うことで補助を受けることが可能となります。そこで、リフォームする前に知っておくべき補助金の基本的な情報についてご案内します。

540views | 2018年01月30日更新

CONTENTS
  1. 国も高齢化社会への対応を進めている
  2. バリアフリー(介護)リフォームの基本は高齢者住宅改修費用助成制度
  3. 具体的にどんな人が助成金の対象になる?
  4. 対象の工事についても確認しておこう!
  5. 申請や支給を受けるうえでの注意点
  6. 減税や各自治体の支援サービスも調べておこう
  7. まとめ

国も高齢化社会への対応を進めている

日本は国民のおよそ4人に1人が65歳以上となっていて世界的に見ても高齢者が多い国です。WHO(世界保健機構)や国連が「高齢化社会」と定義する「総人口に占める65歳以上の割合が7%」という数値を大きく超えています。平成27年国税調査によると日本の65歳以上の割合は総人口の27.7パーセントとなっていて「超高齢社会」といわれています。

超高齢社会が進む日本 超高齢社会が進む日本

高齢者の割合が大きく占めるようになっている要因には労働の主力となる15歳から64歳までが該当する生産年齢人口の減少や、将来を担う子どもの出生数が減る少子化問題も挙げられています。生産年齢人口も14歳以下の子どもの数も、減少は続いており、さらに今後も継続して減っていくことが予測されているのです。

高齢者の割合が増え、生産年齢や子どもの数が減っているということによって危惧されているのが介護の問題です。 働き手となる世代の人口が減少している中で、病院や施設の利用者は増加していて、介護や福祉に関わる職場での人手不足が課題となっています。

他の業界と比べると介護や福祉で働く人は離職率が高いというのも、さらに現場の人手不足問題を悪化させています。人手が不足すれば受け入れる利用者数にも限度が生じます。そして施設入所を希望した場合であっても、公的施設で安価な料金設定から利用できる特別養護老人ホームは入居希望者が多く、たくさんの待機者が生じてしまっています。

公的な施設ではなく民間の施設を利用しようとした場合でも、費用負担の重さなどを理由に利用できないケースもあります。そして、どこの施設も利用できずに在宅で介護を受けるという選択をせざるを得なくなるのです。

中には、もともと施設を希望しない高齢者も多くいます。高齢になってから環境を変えることが大きな負担に感じる高齢者は住み慣れた地域や長く暮らす自分の家で生活をしたいと考えるからです。 国は少子高齢化が進む現状を踏まえて、介護者やその家族を社会で支えるための対応を進めています。

たとえば、地域ごとにケアする地域包括ケアシステムといった政策を掲げるなど、地域にある医療機関、生活や介護支援のサービスといったものの体制の整備を目指しています。そしてまた、体制整備のみならず、自宅で生活する高齢者のための費用の負担への支援も行っています。

バリアフリー(介護)リフォームの基本は高齢者住宅改修費用助成制度

これからの生活のために欠かせないリフォーム補助 これからの生活のために欠かせないリフォーム補助

人が生活するうえで欠かすことができない衣食住の1つである住居に対しても、介護に関わる助成制度があります。介護が必要となると、今まで特に問題もなく過ごしてきた家の造りに、さまざまな不自由を感じるものです。多くの住居は健康な方の生活を想定して造られていることが一般的です。

そのため、車いすを利用するようになると自宅内のあらゆる箇所において、小さな移動でさえ大きな負担となってしまうこともあります。また視力や運動神経の衰えから、小さな段差や柱につまずくようになってしまったり、ぶつかってしまったりするようになるケースも見られます。

高齢の体の不具合に加えて、さらにケガをしてしまうリスクも発生してくるのです。そのような住宅の不便さや危険さを改善させるために効果的なのがバリアフリーリフォームです。高齢者が生活するうえで障害となるような住宅箇所を取り除き、より安心して生活できるような造りに改修します。

そして、このバリアフリーリフォームを行う際に知っておくべき公的な助成制度が、「高齢者住宅改修費用助成制度」です。

高齢者住宅改修費用助成制度とはその名のとおり、高齢者のための住宅改修にかかる費用の一部を負担してもらえる制度をいいます。最大20万円を支給限度基準額とし、リフォーム費用の9割の補助が可能となる制度です。

リフォーム工事について全額負担ではなく、1割は自己負担となるため、支給される金額の上限は18万円となります。日本国民であれば40歳以上になると介護保険への加入が義務付けられています。介護保険にはさまざまなサービスがありますが、施設利用者以外の在宅介護者を対象とした補助内容も含まれます。そして、その1つとしてバリアフリーリフォームで活用できる「高齢者住宅改修費用助成制度」といった制度も整備されています。

具体的にどんな人が助成金の対象になる?

高齢者住宅改修費用助成制度を利用することができる人の条件となるのが、介護保険制度の要介護認定を受けているということです。

要介護認定とは介護がどれだけ必要であるかということを合計して7つの段階にランク分けしたものをいいます。具体的には、日常生活に支援が必要な状態と認定される「要支援」が1と2の2段階、寝たきりや認知症等によって介護が必要とされる「要介護」が1から5の5段階です。

要支援や要介護といった段階がある 要支援や要介護といった段階がある

高齢者住宅改修費用助成制度を受ける場合には、この要介護認定について自治体から正式に「要支援」あるいは「要介護」であると認定されていなければいけません。高齢者がいる家庭であれば誰でも助成金をもらえるというわけではないのです。

このため、高齢者住宅改修費用助成制度を利用して自宅のリフォームをしたいと考える場合には、リフォームの手続きを始める前に要介護認定を受ける必要があります。

要介護認定を受けるためには、まず市区町村の自治体担当者に相談したうえで介護認定を受ける本人か家族が要介護認定の申請書を提出します。すると申請を受けた自治体が医療的見解を求めて主治医に意見書を依頼します。

介護認定を行う人が自宅訪問します 介護認定を行う人が自宅訪問します

そして主治医からの意見書と併せて、自治体職員による自宅への訪問調査、医療や福祉などについての学識経験者が構成する介護認定審査会による審査などを元に、要介護の認定が決定されるのです。

要介護認定により「要介護」や「要支援」の認定を受けた人の住居の改修工事であれば助成金の対象となります。ただし、認定を受けた本人が居住する住居であるということも制度を利用するための必須の条件となっています。これにより高齢者住宅改修費用助成制度を利用してリフォームすることができる家は介護保険の被保険者証に記載されている住所の住宅のみとなります。

対象の工事についても確認しておこう!

高齢者住宅改修費用助成制度を利用したリフォームを行う場合には、助成金の対象者となる条件だけではなく、対象となる工事内容についても知っておくことが必要です。介護保険を適用して行うことができるリフォームは主に5種類となります。

手すりの取り付け

手すりはほぼ必要不可欠となっている 手すりはほぼ必要不可欠となっている

1つ目が手すりの取り付けです。廊下や玄関、玄関から道路までのアプローチに手すりがあると移動する人にとっても、介護する人にとっても負担を軽減することが可能です。トイレや浴室といった場所への手すりの取り付けも適用対象箇所です。通常の部屋に比べて狭い空間となりやすいトイレや浴室では急な回転行動が必要となることもあります。

また、立ち座りといった足に負担がかかる動きをすることも多いため、手すりは大きな行動の助けとなるのです。さらに浴室に手すりがあれば浴槽に出入りする際に体の支えとなります。ただし、家に固定されていない家具のようなものに手すりを取り付ける場合には適用されませんので注意しましょう。

段差の解消

ムダな段差を取り除く ムダな段差を取り除く

2つ目は段差の解消です。高齢者にとっては小さな段差であっても、つまずきの原因となり大きなケガへとつながってしまうことがあります。玄関などにスロープを設置する工事や、敷居の撤去といったリフォームは助成制度の適用内です。

また、浴槽への出入りを楽にするための浴室内の床のカサ上げ工事も対象となります。段差による不自由さを改善してくれるものには昇降機やリフト、段差解消機といったものもありますが、これらの機械を設置する場合には助成をしてもらうことはできません。

素材の変更

3つ目として床や通路面の材料を変更する工事が挙げられます。高齢者の家庭内事故で多いのが転倒事故です。
転倒事故の予防として考慮すべきリフォーム箇所の1つとして床材があります。室内で倒れてしまった場合に体への衝撃を少しでも抑えることができる衝撃吸収性が高いものや滑りにくい床材に変更するといった工事は助成制度の対象となります。

自分の足で移動している方だけではなく、車いす利用者にとっても床材の変更は必要な工事となるケースもあります。たとえば車いすのタイヤがスムーズに動きにくい畳敷きの部屋の床をビニール系の床素材や板性の床材に変えるといったことも安心して生活するために必要なバリアフリーリフォームです。

扉の取り換え

楽に開閉できる扉へ 楽に開閉できる扉へ

4つ目に挙げる対象工事箇所が扉の取り換えとなります。体を大きく移動せずに開閉できる引き戸への取り換え工事や、力を入れずに動かしやすいドアノブの変更といったことが扉の取り換え工事の一例です。

また、扉自体を撤去したり、扉ではなくアコーディオンカーテンなどに変えたりすることなども適用対象工事となります。

和式から洋式便器へ

最後の5つ目となるのが便器の工事です。立ち座りに負担が大きい和式便器を洋式便器に変える工事であれば適用内工事となります。

和式便器から変える便器が洗浄機能や暖房機能などの付いたものであっても適用されます。しかし洋式便器から、高機能付きの便器に変えるだけの変更工事の場合には対象外となってしまうので気をつけましょう。

これらの5つのリフォームを行うために必要となる工事についても適用内となります。たとえば、手すりを取り付けるために壁の下地を補強したり、浴室の床材を変えるために給排水設備の工事をしたりといったことであれば、助成金を受けることができます。

申請や支給を受けるうえでの注意点

バリアフリーリフォームで求める工事内容は人それぞれです。また、給付を受けるための条件や申請方法なども個々の介護状況や自治体によって異なってきます。ただし、申請や手続きについてはどの自治体でも原則、工事が始まる前に行わなければいけないことが定められています。

工事完成後に申請することができるのはやむを得ない事情であると認められた特別なケースだけです。このため、介護のためのリフォームをしようと思ったら、事前に給付を受けるための手続きを進めておくことが必要となります。

また、高齢者住宅改修費用助成制度の利用は1人あたり生涯で20万円までが支給限度基準額となっています。そのため限度額を既に利用し終わっていると、後で工事の必要に気づいても追加して助成金を受けることはできなくなるのです。

ただし、介護を必要とするレベルが高くなり、要介護状態区分が以前より重くなった場合には、再び20万円までの支給を受けることも可能となります。要介護状態区分が重くなったと認定されるためには、要介護認定区分が3段階上昇していることが条件です。

たとえば、高齢者住宅改修費用助成制度を利用した1回目のリフォーム時に要介護2だった人が、2回目の利用を検討するときに要介護5となっていた場合には、要介護区分が3段階上昇となるため再度20万円までの助成金を利用することが可能となります。

また、介護状態に変化がない場合でも、生活の基盤となる家が変わる転居の場合には、同じように再度20万円の支給限度基準額が設定されます。

減税や各自治体の支援サービスも調べておこう

バリアフリーリフォームを行う方への支援は高齢者住宅改修費用助成制度だけではありません。自治体独自が補助金などの支援サービスを設けている場合もあります。このため、事前にリフォームする住居を構える市区町村の窓口に相談しておくとよいでしょう。

また、バリアフリーリフォームは助成金だけではなく、減税の対象となる可能性もあります。バリアフリー住宅にするための改修工事の際に利用する「住宅特定改修特別税額控除」では2009年4月1日から2021年12月31日までの期限内に工事をして居住することで所得税の一部が減税となります。

ただし、バリアフリーリフォームの日から6カ月以内に居住していることや税額控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であるといったことも控除を受けるための条件となります。

さらに、リフォーム工事を依頼している人が高齢者と同居している人、あるいは「要介護」か「要支援」の認定を受けている本人である、または年齢が50歳以上であったり、所得税法上の障害者であったりといった条件のいずれかに該当していることなども求められます。

みんなが快適に過ごせる環境づくり みんなが快適に過ごせる環境づくりを

住宅ローンを利用している方はどちらかの選択制となりますが、住宅特定改修特別税額控除自体は住宅ローンの利用がなくても控除を受けることができます。このため、該当している人はぜひ確認して利用するとよいでしょう。

まとめ

公的な助成金の中には正しい方法で申請さえすれば受け取ることができるものがあります。高齢者住宅改修費用助成制度についても条件に該当していれば、リフォームにかかる費用の一部を受け取ることが可能です。ただし、バリアフリーリフォームは介護を受ける人の病状や介護環境によって、必要となる工事が異なってきます。

そして、制度を利用して行うことができる工事には条件があります。そのため、家族の介護が必要となったときには介護に関わる専門家に相談のうえ、どのようなリフォームが必要か、どのような工事なら助成金を利用して行うことができるのかをしっかりと確認しておくと安心です。

バリアフリーリフォームで利用できる補助金の特徴や利用方法について事前にしっかりと知っておき、上手に活用するようにしましょう。

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