外壁や内装の修繕を行う際に耳にすることも多いコーキング。
このコーキング作業の効率を上げるのが「コーキングガン」です。
しかし、コーキングガンには、「手押し式」「自動式」「エアー式」などがあり、どれが良いのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
この記事では、各コーキングガンのメリット・デメリットや使い方などについて解説します。
コーキングガンは、コーキングに使われる道具です。
コーキングとは、タイルとタイルの隙間や外壁と窓などの隙間をコーキング材を使って埋める工事です。
コーキングをすることで隙間を埋めて漏水を防いだり、気密性を高めたりすることができます。
さらに、コーキングには外壁の劣化を防ぎ建物を長持ちさせる効果もあるのです。
たとえば、コンクリート製の外壁は気温や湿度によって膨張したり収縮したりする性質をもちます。
そのため、一般的な外壁の接着部にはコーキング剤を使用してクッション性を高め膨張や収縮を吸収する工夫が施されているのです。
これは、気温や温度、経年によって外壁が割れたりヒビが入ったりするのを防ぐことができ、ひいては建物寿命を延ばす結果につながります。
なお、同じようなものに「シーリング」や「シール」があります。
コーキングガンは、「手押し式」「電動式」「エアー式」の3種類があります。
まず、1番主流である手押し式は他のコーキングガンよりも安価で購入できるというメリットがあります。
また、エアーの補充や充電が必要ないため初心者にも扱いやすいのもメリットと言えるでしょう。
ただし、電動式やエアー式に比べて手が疲れやすいこと、コーキング剤を均一に出すのが難しいことがデメリットと言えます。
そのため、広い範囲に注入する場合や短時間で作業したい場合には不向きかもしれません。
つぎに、電動式のコーキングガンはその名の通り電動なのでスピーディーな施工が可能です。
機種によって使い方は異なりますが、トリガーを引いている間やスイッチがオンになっている間はコーキング剤が出続ける仕組みの物が多いので、手が疲れることもありません。
手押し式に比べてコーキング剤を均一に吐出することができるため、きれいに仕上げることが可能です。
また、硬いコーキング剤を使う時も電動なら楽に作業できます。
しかし、価格が高額であったり本体が重かったりというデメリットもあります。
また、充電が必要なこともデメリットと言えるでしょう。
機種によってバッテリーの容量はさまざまですが、使用中にバッテリー切れということも考えられます。
最後は、エアー式のコーキングガンです。
空気の圧力でコーキング剤を押し出すので、手押し式に比べると手が疲れないというメリットがあります。
さらに、電動式よりも価格が安く、本体が軽いのもポイントです。
片手で作業できるのも魅力でしょう。
その一方で、エアホースやコンプレッサを使ってエアーの供給をしなければならないデメリットもあります。
コーキング作業を行う際はコーキングガンの他に、用途に合ったコーキング剤を選ばなくてはなりません。
コーキング剤は大きく分けて4つの種類があります。
1つ目は、キッチンや浴槽などに使われる「シリコン」です。
安価で手に入るわりに耐水性や耐熱性が高いシリコンですが、水を弾く素材のため塗装を行う外壁などには使用できません。
2つ目は、建築物の内装および外装の目地に使用することが多い「変成シリコン」です。
耐候性や耐久年数も優れているため用途が広く、外装や屋根はもちろん金属にも使用できます。
3つ目は、内装の目地で使われることの多い「アクリル」です。
ALCのパネルの目地やサッシと壁の隙間、天井と壁の隙間などに使用されます。
他にもモルタル壁のひび割れの修繕にも使用可能です。
水性なので取り扱いが容易である反面、水に弱いという特性もあります。
そのため水を使用する場所、たとえばキッチンや浴室には使えません。
また、アクリルは温度差による影響を受けやすい性質をもつため寒冷地での使用は不向きと言えるでしょう。
4つ目は、ウレタン防水の端末シールや下地処理に使用する「ウレタン」です。
木材や金属、配管など、さまざまな材質の目地に使用できます。
ゴムのように硬くなるので耐久性が高いのも特徴です。
ただし、紫外線が弱点と言えるため住宅の外観やガラス廻りには向きません。
また、ウレタンはホコリを吸い付ける性質をもつためコーキング後に上面を塗装し保護をする必要があります。
なお、コーキング剤には「1液型」と「2液型」があります。
前者の1液型はそのまま注入できるタイプで、一般的な使用ならこの1液型で十分です。
一方、後者の2液型は、コーキング基材と硬化剤を混ぜて使用します。
単価が高くプロ仕様のものになるため扱いは難しいですが、耐久性に優れ寿命が長いのが特徴です。
なにやら難しそうなコーキングガン。
「初心者にはハードルが高い」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、コーキング材を出す事自体はそこまで難しいことではありません。
まず、作業に入る前に必ずビニール手袋を装着します。
次に、注入する場所以外にコーキング剤が付着しないよう養生テープでの保護を行います。
硬化する前のコーキング材は、大量に吸入すると健康に害を与える恐れがあります。
そのため、浴室やトイレなど密室で作業する際は十分な換気が必要です。
これらに注意したうえで、コーキング材を扱いましょう。
事前準備ができたら、コーキング材のノズルを取り外し中にある密着シールに穴をあけます。
そして、ノズルの先をカッターなどで切断します。
このとき、コーキング材を注入する場所の幅を考えてカットすることが大切です。
注入する幅より広い大きさの穴をあけると、作業がしづらくなるので注意しましょう。
つぎに、コーキングガンの真ん中にあるロッドを後ろに引き出しカートリッジを取り付けます。
コーキング材が吐出しないよう気を付けながらレバーを動かし、カートリッジを固定しましょう。
レバーをゆっくり引くとコーキング剤が出てきます。
先程説明したようにコーキングガンを使うこと事態は比較的容易に行うことができます。
しかし、だからといってコーキング作業も簡単にできるかと言われるとそうではありません。
既にあるコーキング剤をキレイに剥がし、埋め直すにはカッターやヘラを使いこなす必要がありますし。
場所によっては高所での作業になることもあります。
浴室やキッチンの一部などを手直しする程度ならまだしも、外壁などの広い面積に施工する場合は必ずプロのリフォーム業者に相談しましょう。
便座交換が
39,800円!